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現場で実感する「やくばと病診連携」の効果、病院×クリニック対談

 

病院への患者紹介予約は、従来、電話やFAXが主流でした。

そうした業務の効率化やDX化を目指して開発されたのが、メドピア株式会社が提供するWeb紹介予約ツール「やくばと病診連携」です。

今回は、「やくばと病診連携」を活用して紹介受付業務のデジタル化を進めている大阪医科薬科大学病院(大阪府高槻市)と、その紹介元であるおおぜき医院(同市)の取り組みをご紹介します。

「やくばと病診連携」導入の背景や、現場での実際の活用などについて、大阪医科薬科大学病院の谷口氏と黒田氏、高田氏、おおぜき医院の大関道薫先生(院長)にお話を伺いました。

 

対談の様子(左手前から大阪医科薬科大学病院の黒田氏と谷口氏、おおぜき医院の大関先生、大阪医科薬科大学病院の高田氏)

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「やくばと病診連携」導入の経緯

谷口氏(大阪医科薬科大学病院・広域医療連携センター

当院は800床を超える特定機能病院で、地域医療との連携も重要な役割の一つです。202410月、病院全体としてDX推進が課題となっていた中で、「やくばと病診連携」の話を聞き、FAX中心だった予約受付業務をそのままWeb化できると感じたのが導入のきっかけでした。大きな準備が不要そうだというのも導入しやすいポイントでしたね。

――導入に際して、懸念点はありましたか?

谷口氏

正直、紹介元の医療機関にどこまで周知できるか、実際に使ってもらえるかには不安がありました。でも、やるからには“Web予約が毎日安定して入る状態を目指したいという思いがありました。

――おおぜき医院としては、導入に抵抗はありませんでしたか?

大関先生(おおぜき医院 院長)

全くなかったです。むしろ「やっとこういう仕組みが使える時代になったな」と思いました。大阪医科薬科大学病院で勤務していた頃から、FAXの非効率さには課題を感じていたので。導入もスムーズで、「なぜこれが無料なのか?」と心配になるくらいでした(笑)。

 

患者紹介時のWeb入力画面例

 

現場で実感する「やくばと病診連携」の効果とは?

――実際に導入して、現場の変化はありましたか?

谷口氏

着実にWeb予約の件数は増えています。特にWeb環境が整っているクリニックや、新しく開業された若い先生とは相性がいいと感じています。

――どのような場面で紹介予約が必要になりますか?

大関先生

主に2つのケースです。1つ目は、入院が必要なケース。この場合は緊急なので、今でも電話で連絡を取ります。2つ目は、専門的な検査や診断が必要なケース。こちらは後日予約という流れになるので、「やくばと」での紹介が適しています。

 

おおぜき医院の診療内容(同院Webサイトより)

 

――従来の方法で課題に感じていたことは?

大関先生

やはり日程調整です。患者さんの希望日を聞き、FAXで病院とやり取りしますが、返信が来た時点で患者さんの予定が変わっていたということがよくありました。

谷口氏

「やくばと」では、病院が患者さんと直接日程調整できるので、紹介元の医療機関の手間が大幅に減りました。今後は、紹介予約の大半をWeb経由にしていきたいと考えています。

黒田氏(大阪医科薬科大学病院・広域医療連携センター

調整はSMSで行うので、患者さんの都合が良いタイミングで連絡を取り合えるのも大きなメリットです。以前よりやり取りのスピードも上がった印象があります。

 

導入後の変化と今後の期待

――すべての紹介がWeb化されたわけではないですよね?

大関先生

もちろんです。緊急性が高いときは電話を使いますし、希望日が特にない患者さんはFAXでも事足ります。「すべてを“やくばと”にする必要はない」というのが、現場としての正直な感覚ですね。

――Web紹介予約の適正は、診療科によっても変わりますか?

大関先生

特に小児科は、親御さんとの日程調整が必要なのですが、診察室や受付でその場でやるのは大変ですので、ご自宅でじっくり調整してもらえる「やくばと」はとても助かります。

谷口氏

実際、おおぜき医院からの紹介予約の約4分の3Web経由になっていて、効果を実感しています。

――紹介時のやり取りについて教えてください。

谷口氏

基本情報は4項目程度入力していただき、必要に応じて紹介状を添付。患者さん自身が希望日も入力できる仕組みです。FAX時代と同じ情報を、むしろ効率よく共有できています。

大関先生

FAXよりも手間が減った分、むしろ大学病院さんへの紹介が増えたと思いますよ。

 

おわりに:DXがもたらす医療現場の余白と可能性

――最後に、医療DXの取り組みに期待することや、「やくばと病診連携」に今後求めたいことがあれば教えてください。

大関先生

Web経由で検査画像も共有できるようになると、より柔軟な相談がしやすくなると思います。たとえば「このエコー画像の患者さんは紹介すべきか?」といった判断が、よりスムーズに行えるようになります。さらに、紹介後の受診報告や退院報告といった簡単な連絡もチャットで行えるようになれば、電話やFAXを使わずに済み、業務の効率化につながると思います。

高田氏

そうですね、受診報告や退院報告などの連絡をチャットで行えるようになれば、医療機関同士でのやり取りが簡便になり、業務の効率化がさらに進むと思います。先生方もお忙しいので、柔軟に対応できるコミュニケーション手段の整備は大きな意義があると思います。

大関先生

医療現場は書類業務がどうしても多くなりがちです。だからこそ、DX良い意味で楽をすることが、患者さんと向き合うための建設的な時間を確保する鍵だと思っています。

 

 

今回の対談を通して、「やくばと病診連携」が単なる予約手段の効率化にとどまらず、医療現場における業務負担の軽減や、患者対応により集中できる環境づくり、関係機関との連携のあり方においても一定の効果をもたらしている様子がうかがえました。

今後、これらの取り組みがより多くの医療機関に広がり、地域医療全体の質の向上につながっていくことが期待される中、本事例が医療DXを推進するうえで一つの参考になれば幸いです。

 

やくばと病院予約について

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